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著作権問題について1

はじめに



いまだに日本ヨーヨー界に波紋を残し続ける音楽著作権問題ですが、


 私たちが最初にするべきことは、音楽著作権団体への不満を露わにすることではありません。情報を集め、事実を確認し、思考することです。2006年JNから2007年JNまでの2年間を経て皆さんが得た答えは必ずしも1つではないと思います。しかし2年というのは過渡期としては十分な期間です。いつまでグレーな状態を続け、何かいわれるまで放置しておくより、何らかの結論を出さなければ、いつまでもいまの状況が続けられるものではないと思います。

さまざまなジャンルでの動向などを交えて、自分の把握する範囲で著作権問題についての説明を行いたいと思います。少々長文にお付き合いください。

根本的なところで何をしてはいけないのでしょうか?

 他人の著作物を許可無くむやみに使ってはいけません。詳細は後述の著作権の部分を読んでください。
特に音楽著作権はその管理団体の活動方法など問題視されている部分がありますが、音楽を作った人の権利(主に財産権)を守るための組織です。
基本的にNGなのは下記のとおりです

基本的にNGなのは下記のとおりです

● 公共の場においては許可無く黙って使ってはいけません。
● 著作物を使用する場合は著作者にお金を支払ってください。
● 決められたルールの範囲で使ってください。ルールを逸脱した使用は罰則(重に罰金)の対象になります。


ヨーヨーにおける問題

誤解の無いように最初に述べておきますが、現在問題視されているのは以下の3点です。

音楽著作権料の支払いについて

 大会の規模が大きくなるにつれて、どんどん大きくなってきているのが音楽著作権料の支払いです。(2007年の地方大会、JNを含めて10万円以上が著作権管理団体に支払われています。) 
 これは支払い形態、演奏時間および収容客席数によって変動しますが、大会規模が大きければ大きいほど、高くなっていきます。現在大会運営資金から捻出していますが、財政を圧迫している原因であることは間違いありません。また、海外の管理団体が管理しているものを無許可で使用するとさらに天文学的な賠償請求が来る可能性があります。そのような自体で大会主催者が負債を一手にかぶりきれるのかは保証できません。最悪使用者であるプレーヤーにまで請求が行ってしまう可能性があります。

曲編集について

 著作物である楽曲を、著作者の許可無くむやみに編集してはいけない。後に述べる「同一性」を守る意味でむやみな編集は問題を引き起こす場合があります。これは管理団体と使用者ではなく、著作者と使用者個人間の問題です。場合によってはあなた個人に対して民事裁判という可能性もあります。

大会動画の配信について

 現在ヨーヨーをされている方のほとんどはオンライン動画にお世話になったことがあると思います。世界的に見ても動画配信による広告効果を前提にスポンサードを行っているメーカーもあるようです。

動画配信の効果は大きく分けて以下の2点です。

1. 広く配信することで世界中のプレーヤーまたはヨーヨー愛好者が受ける恩恵は計り知れません。無いと寂しく、あるとうれしい動画配信、一人で続けているプレーヤーのモチベーション維持には欠かすことは出来ません。2000年以降の世界的なトリックレベルの向上も世界規模の動画配信無しにはありえなかったことです。偶然それを見たことがきっかけでヨーヨーを始める人は今でも少なくありません。現在のヨーヨーシーンに大会動画の配信は無くてはならないものとなっています。

2.「動画配信無し」を前提とした大会は、広告効果を見込んだスポンサーからの収益に大きな影響が出てくるでしょう。今後JNの動画配信がほぼ不可能となった場合、スポンサー収益は減少することは間違いないでしょう。結果プレーヤーの個人負担が増加したり会場規模が縮小されたりすると多くのプレーヤーのモチベーションにも影響を与えていくことが危惧されています。

著作権料、動画配信ともに大会の財政を大きく圧迫することは間違いないでしょう。曲編集に関しては間違いなく使用者に問題が及ぶ可能性をはらんでいます。


著作権とは何だろう?

 まず著作権と一言で言っていますが、その対象となっているのは主に以下の3つの権利です。簡単にこれを説明しましょう。興味のある方はリンク先を読んでください。

著作権

 日本国憲法でいう財産権に含まれる。これは著作物を財産として利用する権利である。(ウィキペディアより引用)ちなみに日本の音楽著作権管理団体が重要視しているのはこの「著作権」であって、下記に述べる「著作**権」についてはあまり重要視していないようです。つまり日本の音楽著作権管理団体が権利的に重要視しているのは「歌詞とスコア(スコアは譜面のこと分かりやすく言えばメロディーのこと)」です。
参照リンク:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C%E6%A8%A9

同一性保持権

 著作者人格権の一種であり、著作物及びその題号につき著作者(著作権者ではないことに注意)の意に反して変更、切除その他の改変を禁止することができる権利のことをいう。(ウィキペディアより引用)
参照リンク:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%8C%E4%B8%80%E6%80%A7%E4%BF%9D%E6%8C%81%E6%A8%A9

著作隣接権

 著作物を伝達する場合に、実演家、レコード製作者、放送事業者、有線放送事業者に与えられる権利で、もとの著作物の著作権に抵触しない範囲で伝達者に認められる権利。(ウィキペディアより引用)
参照リンク:http://www.jspa.gr.jp/whats_j/qa/index.html

立場の違いによる意識の違い

 自分たちに害をなす相手は「悪」だと決めつけた上で物を考えても、「悪者をやっつけよう」という結論にしかたどり着きません。しかし、相手には相手なりの理屈があってあなたに辛い状況を強いているのかも知れません。その点が理解できれば少し感じ方が変わってくるのではないでしょうか?

立場の違いによる感じ方の違いを駐車違反の例で考えましょう

 あなたが駐車違反をしてしまったとして、警察からから罰金の督促状が届きました。あなたにとっては「少し車を止めただけでどうしてこんな大金を取られなければならないんだ?」「自分ひとりの駐車違反で何か世の中に迷惑がかかるわけでもないだろうに」という疑問と不満が沸いてきます。
 しかし取り締まる方からすれば、「駐車違反を放置しておけば、道路渋滞はひどくなる一方だし、交通事故の原因になるかもしれない」「何もおきないうちに違反車は取り締まっておかなければ、何か起きてからでは遅い」とかんがえているかもしれません。

 違反者も、取り締まる側も、どちらも間違った考えを持っているわけではなく「立場」が違うだけなのです。

 この「立場の違い」を理解したうえで相手との折り合いを見つけなければ、ただの「わがまま」になってしまいます。自分の欲求をぶちまけるだけの違反者に取り締まる側は「悪質な違反者には追徴金を請求したり、交通刑務所に拘留」など、もっと厳しい罰を強いていくかもしれません。

著作権についても同様です。
 一般に利用者に認められているのは、狭義の私的視聴(個人で見たり聞いたりして楽しむ)のみであり、たとえ購入したCDでも不特定多数の前でむやみに流したり、複製を人にばらまいたりする権利はありません。ちなみにレコード店や喫茶店で流している音楽でさえも、著作権料を支払ったうえでの行為です。  
著作権保持者の立場からすれば、自分が苦労して生み出した楽曲を許可無くむやみに使われることは、会社に雇われて仕事をしたのに給料がもらえないのと同義なのですから。

それぞれの立場での「同一性保持権」
改めて著作者の権利というのを考えてみましょう。

 以前大会の後に自分のプレイが「音抜き」「曲の差し替え」を行った形で公開することに対してどう思うか?というヒアリングを行ったことがあります。その結果は殆どの“トッププレーヤー”がノーと答えています。

 自分の作品であるプレイを自分の求める表現と違う形で公開してほしくは無い。

 これは先に述べた著作者の持つ「同一性保持権」に基づく主張ですね。

 しかし・・・曲の著作者も同じことを考えているのではないでしょうか?ある意味音楽の二次創作物であるフリースタイルを行う人は、自分の作品の「同一性保持権」は主張するけれど、曲の著作者の「同一性保持権」を無視している可能性があるわけです。

 その最たる例が、楽曲の編集です。もちろん、プレイにあわせるための楽曲の編集も「あってしかるべき」と考える方がほとんどだと思います。しかし明らかに著作者の意図したものと違う形にアレンジしていることは間違いありません。
極端な話しをすると、3分の競技時間に合わせて音楽を止めるだけでも、同一性を保護しない行為になってしまいます。

 同一性保持権とは違いますが、もしヨーヨーが大嫌いな音楽家が作った曲ならヨーヨーに使われるだけでも嫌悪感を覚えるかもしれません。

 玉子が先か鶏が先か?というわけではないですが、誰かの著作物を使おうとする以上著作者の権利はどうしても避けては通れない問題です。自分の表現を優先するあまり外の人の表現を知らず知らずに侵害している可能性もあるということです。

 念のため、日本の音楽著作権管理団体はこの権利に関しては基本的に関知しません。ただ、
同一性保持権の問題で、楽曲の編集を行うと、著作者との間で問題が起きる可能性があることの指摘は受けたようです。

著作隣接権について
著作権に関する一番の違和感=TV?

 著作権に関して皆さんがもたれる疑問の一番の原因は、「TVやラジオなどのメディアでは、自由に音楽を使ってる!世の中はこんなにさまざまな音楽で満ち溢れて自由に放送されているのに、どうしてスポーツや競技に限って禁止事項があるんだろう?」ということだと思います。
 これだけたくさんの音楽が当たり前に流れているTVラジオなどのメディアをに囲まれて育ってきた自分たちにとって、著作権の保護する意味なんて理解できない。と思われる方がいると思います。これは半分正解で半分はずれです。

 放送局は、著作物を公衆に伝達するために重要な役割を果 たしているという意味で、著作隣接権という権利を有しています。また、包括契約といって莫大な著作権料を著作権管理団体に支払うことで殆どの楽曲を自由に使う権利を持っています。また、
 著作者側としても放送で使用される広告効果を考えてTVなどのメディアでの露出は暗黙的に止むを得ないという意識があります。一般の著作物利用者とは司法の認識上立場が違うのです。

 現在考えられる、ヨーヨーの大会の動画に著作権管理団体の管理下にある楽曲を使えるようにする唯一の解として、「TVで放映してもらう」というのがあります。(もちろんイベントなどのクローズした環境で著作権管理団体の管理下にある曲を流すことは、普通に申請すれば可能です。大会に使うだけならお金を払えば一切問題ありません。)でも、全行程6時間近いJNの決勝を特番組んで放映してくれる局は地方のケーブルテレビでもちょっと難しいでしょう・・・。メディアに取り上げられるとしてもトップの1人がせいぜいでしょう。

 「著作隣接権」という意味では、演奏者には著作隣接権が発生するため、先に述べたCD音源不可のルールと対極的に、自分が演奏した楽曲(自分で打ち込んだMIDI)に関しては、著作権管理団体の許可があれば配信は可能ですし、著作権料を支払えば、動画とあわせた形式以外では使用の許可を得ることができます。

 ちなみに4小節以下の引用は著作権違反にならないというデマがありますが、日本の音楽著作権管理団体のFAQからは、「デスノートの13日ルール」同様うそのルールとして注意されています。ご注意ください。

著作権とは何か?それぞれの立場関係、これらを理解したうえで、解決策を思考し、新しい方法を考えていかなければならないわけです。

「音楽著作権団体が無くなればいい!」と言うだけなら、ヨーヨー界はますます衰退するでしょう。次に、これまでいろいろと調査、実践してきた情報をお知らせします。皆さんの考察の一助にしてください。