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ヨーヨーのプレイスタイル

原文:eagle0wl
校正:yama@18

はじめに

ヨーヨーの性能は、ここ10年で劇的に進化しました。それに伴い様々なトリックが編み出され、プレイスタイルも多様化した。ここでは、そのプレイスタイルを紹介します。


プレイスタイルムービー

まずはいろんなプレイスタイルを見てみましょう。思ってもいなかったヨーヨーの遊び方にきっとわくわくしてくると思います。



リンクの説明
  • (ビデオ):と書かれているリンクはそのスタイルの動画(mpg形式)が直接表示されます。必要に応じて右クリックで”対象をファイルに保存”を選んでください。
  • (ウエブサイト):と書かれているリンクはそのスタイル関連のウエブサイトへのリンクです。その中で動画、なども入手できます。



1.予備知識

ヨーヨーの技(トリック)は2種類に大別できる。近年はトリックが非常に高度先鋭化しているため、特定のスタイルに特化されたヨーヨーが用いられている。そのため、後述するストリングトリック用ヨーヨーではルーピングプレイは全くと言っていいほど出来ないことに注意。逆もまたしかり。



ストリングトリック

ヨーヨーの紐(ストリングス)をあやとりのように扱ったり、ヨーヨーの溝にストリングスを巧みに乗せるトリックを指す。


トリック例

     ・ブランコ(ビデオ)
     ・トウキョウタワー(ビデオ)



ストリングトリック用ヨーヨーに求められるもの

    ・長い空転(スリープ)時間
    ・(ストリングスが乗りやすい)つづみ型の形状など


ルーピングトリック

ヨーヨーで円軌道を描かせるトリックを指す。ルーピングトリックは基本的に片手だけで行えるため、ツーハンド(両手に1個づつ持つ)が主流となっている。

円軌道を続けるには手首の返しが重要であるため、感覚を覚えこませるしかない。ブルースリーではないが「考えるな、感じるんだ!」。従って、ルーピングトリックを得意とするプレイヤーは、大抵ヨーヨー暦が長い。


トリック例

      ・インサイド・ループ(輪投げ) (ビデオ)
      ・アラウンド・ザ・ワールド(世界一周)(ビデオ)



ルーピングトリック用ヨーヨーに求められるもの

     ・紐を引けば簡単に戻ること
     ・ノーマル形状(つづみ型ではない横幅の狭い形状)など





2.世界大会で部門化されているプレイスタイル



1A (シングルハンドストリング)

ビデオ

片手に1個のヨーヨーを持ってストリングトリックを行うスタイル。現在は、高度なトリックを行うため、ストリングを引いても戻らないセッティング(バインドセッティング)にすることが主流となっている。

ヨーヨーを知らない人の殆どは、まずこのスタイルを思い浮かべるはず。1Aは、あらゆるプレイスタイルの基本であり、参入障壁も最も低いため、初心者はここから入る。





2A(ツーハンドルーピング) 



ルーピングトリックを両手で行うスタイル。円軌道を派手に描くため、視覚的に最も見栄えが良く素人受けも良い。ただし、感覚に頼るルーピングトリックを両手で行う性質上、参入障壁は最も高い。








3A(ツーハンドストリング) 

ウエブサイト)(ビデオ

両手で行う1A。複雑な動きを見せる1Aを両手で行うため、基本トリックでも極めて難易度が高い。

両手でスリーパーを行う姿などは1950年代の写真からも確認されており、旧ハイパーヨーヨーブーム時にも両手でブランコを行う『ツーハンド・ブランコ』がトリックブックに記載されていた。しかし当時はスタイルとして認知されていなかった。

1990年代?にマーク・マックブライドが3Aトリック『ベルベット・ロール』(ビデオ)を開発してから急速に発展し、2003年から世界大会で部門化された。






4A(オフストリング)



紐をヨーヨーの軸に固定しない(指側は固定する)スタイルで、OSとも略される。投げた瞬間、ヨーヨーがストリングから離れるというインパクトは非常に大きい。そのスタイルはディアボロ(中国ゴマ)に近いが、手元に戻せるというヨーヨーならではの要素も絡むため、世界レベルの演技は意外性があり非常に見ごたえがある。

オフストリングの起源として、デイル・オリバー考案の『オリバーズ・ロケット』というトリックがある(ハイパーヨーヨートリックスに収録)。1999年世界大会A部門で、三居弘典が4Aオンリーのフリースタイルを披露したことで急速に広まり、2003年から世界大会で部門化された。





5A(カウンターウエイト)

ウエブサイト

紐を指に固定せず、代わりにダイスやスーパーボールなどの「重り」をつけ、それを持って行うスタイル。CWとも略される。重りの遠心力でストリングの張力が保たれた、例えるならばヌンチャクのような動きをするトリックが多い。ヨーヨーと重りの両方が激しく動くため、ストリングの軌道が非常に美しいことが特徴。

1999年にスティーブ・ブラウンがこのスタイルを開発し、急速に発展した。当初はフリーハンドと呼ばれていたが、同じ名称のヨーヨーが発売されたため、(少なくとも国内では)混乱を避ける目的でカウンターウエイトと呼ばれることが多い。2003年から世界大会で部門化された。







3.世界大会で部門化されていないが形になっているだろうプレイスタイル



ワンハンド(シングルハンド)

片手に1個のヨーヨーを持って、ストリング・ルーピングの両方を行うスタイル。トリックが高度先鋭化し、スタイル専用のヨーヨーが用いられる現在では殆ど見られないが、それ以前の旧ハイパーヨーヨーブーム(1997~1999年?)では片手でヨーヨーというと1Aではなくワンハンドであった。1999年までは世界大会の部門として存在していた(現在の1A部門は、ルーピングトリックは加点対象にならない)。

ストリング・ルーピングの両方を行うため、スタイルに特化されたヨーヨーは使えない。従って、高難易度のトリックは行えないが、ヨーヨーを知らない人にデモンストレーションをするならば1Aよりもこちらが受けるらしい。



0A

片手で行うルーピングプレイをそう呼ぶらしい。実際に呼んでいる人を見たことがない。



9A(カウンターウエイト・オフストリング) 

ウエブサイト) 9Aプレーヤーよしたさんのページです  (ビデオ

4A + 5A = 9A。紐をヨーヨーの軸に固定せず、指にも固定しないという、カウンターウエイトとオフストリングの特徴を併せ持った発展型スタイル。UTYJ03?04?(2001年?2002年?全国大会)で、大西翼が行ったのが最初とされている。

ライアン・ライが2005年世界大会4A部門で9Aオンリーのフリースタイルを披露している(個人的には非常に衝撃的だった)。



スライディング・カウンターウエイト(アストロ)

5Aの発展系スタイル。1つのヨーヨーに重りを2つつけ、その1つはストリング上をスライドするようにセッティングする。そのヨーヨーを用いて、スキルトイ『アストロジャックス』の要素を取り入れたトリックを行うスタイルを指す。「アストロスタイル」とも。

1999年にクリス・ネフ?が考案し、セス・ピーターソン、ブライアン・ロバーツ、アンドリュー・リムらが発展させた。2005年アジア大会5A部門でIskandar Shahが、全編オリジナルトリックによるアストロスタイルを披露し部門優勝している。



ツーインワンハンド

片手に2つヨーヨーをつけて行う1A。1999年ごろにスティーブ・ブラウンが考案したらしい。このトリックは1999年に発行された『YoYoWorld Magazine』やヨーヨーチーム『Chicago Crew』が作成したクリップビデオでも紹介されている。スタイルとしては3Aに近いがあまり発展しなかったようだ。

2001年世界大会X部門で、荒牧淳がフリースタイル前半部でツーインワンハンドを披露している。



ソロハム

ウエブサイト) (ビデオ
ソロプレー・ハムスターの略。オフストリングヨーヨーを片手に2つ持って行うトリックで、ハムスターの滑車に似ていることから、そう名付けられた。ディアボロ(中国ゴマ)でいうところの『ウィンドミル』に相当。本来のハムスターは、三居弘典が完成させた。もう一人からヨーヨーを投げ入れて貰うことで成り立つトリックである。

これを一人で行う『ソロハム』として成功させスタイルとして確立させたのは長谷川貴彦。1人で行うことで競技としての可能性を飛躍的に広げることとなった。

大会レベルでは2000年世界大会X部門で長谷川貴彦が初披露しているが、非公式であれば1999年のハワイ世界大会で撮影された『SUPER-Yoキッキントリックス(1999年末発売)』で紹介されている。

トリック自体は1999年に完成させていたが、投げた2つのヨーヨーの巻き戻し→キャッチは2002年まで誰も成功していなかった。最初に成功させたのはてり~。それまでは投げたヨーヨーを飛ばして捨てる動きで終る、歯切れの悪いトリックであった。

ソロハム自体は非常にリスキーなトリックであるが、2004年全国大会4A部門および2004年世界大会4A部門で坂田敦がソロハムスタイルオンリーのフリースタイルを披露している。






4.プレイスタイル


フュージョン

2000年度世界大会より新設された(2002年を最期に廃止)X部門のために制定されたカテゴリで、フリースタイル中に複数のスタイルを同時に行うことで加点される。そのため、2001年、2002年では複数スタイルの要素を盛り込んだプレイヤーが多数登場し、ツーインワンハンドやチェリーといった様々なスタイルが考案された。



13A(ダブル・カウンターウエイト)

5A + 5A + 3A = 13A。両手で5Aを行うスタイル。ラファエル・松永が2005年世界大会5A部門で、片手で出来る5Aトリック『プロペラ』を両手で行っている。



メビウス

発音上からは「モービアース」の方が近い。
Dr.Popularが開発。指に固定されている紐を外し、フィンガーホール(指につける紐の輪)を広げて行う1Aトリック。

2001年世界大会X部門で、荒牧淳がフリースタイル前半部で披露している。また、2004年世界大会1A部門で、アレックス・ベレングエルがフリースタイル終盤で行っている。



フライング・イール(オフハンド)

ストリングを指に固定しないスタイル。5A(カウンターウエイト)の原型とも言えるが、重りはつけていないため投げづらい。詳しくはこちら(ウエブサイト)を参照。5Aはこのトリックに影響されて生み出された。



ウォッシング・マシーン (ビデオ

1Aトリックの途中で、ヨーヨー側のストリングを外して輪を作り、オフストリング状態にするトリック。作った輪の内部でヨーヨーをバレルロールのように回してから、外したストリングを元に戻してキャッチする。Dr.Popularが開発。



ゴーウエスト (ビデオ

ストリングの”より”を完全に戻した状態で行うスタイル。ウォッシング・マシーンの輪が大きくなったもので、オフストリングと1Aをミックスさせたスタイルともいえる。

三居弘典、長谷川貴彦、西ケンジらが考案したとされている。同時期にDr.Popularも考案していたらしい。



ソードダンサー

3Aトリックのひとつで、片方のヨーヨーをオフストリング状態にする動作を伴う。島田大輔が2005年東日本大会で『ソードダンサー』を、2005年全国大会では『ソードダンサー』の改良版『ネオ・ソードダンサー』を披露。

さらに2006年度東日本大会では、両手にヨーヨーを1個づつ、さらに右手にオフハンドヨーヨーという3つのヨーヨーを持った構えから入り、「片方のヨーヨーをオフストリング状態にする動作」を伴うトリック『トリプルアクセス』を披露している。



8A

特に決まった呼び名がないので便宜上8Aと命名。3A + 5A = 8A。片手に1Aヨーヨーを、もう片手に5Aヨーヨーを持って行うプレイスタイル。

2005年度全国大会?・2006年中部大会5A部門で、岩倉玲がフリースタイル中盤で8Aスタイルを披露している。



チェリー

5Aの発展系。1つのカウンターウエイトに対し、2つのヨーヨーがぶら下がっているヨーヨーを用いたスタイル。2002年に沼上誠が考案した。カウンターウエイトを付けないものは『ヒドラ』と呼ぶらしい?

チェリーはX部門のフュージョンのために考案されたようで、2つのヨーヨーでダブルオアナッシングを行うなど、豪快なトリックが存在する。



テラー

ヨーヨーの軸の両端(外側)にテラーと呼ばれるトップ(独楽)を置き、それを用いた複合トリックを指す。もともとはテラーと呼ばれるMODS(改造ヨーヨー)の一つとして考案されたが、その後製品としてグラディエーターなどが発売された。



トップオン(ビデオ

ヨーヨーの軸を上下から爪ではさみ、指の上でコマのようにまわす。バイパー、Black Knightなどの軸周りの形状が特殊なヨーヨーが必要



耳掛け

主にオフストリング・カウンターウエイトスタイルで用いられる、ストリングを耳に掛けるトリックを指す。大西翼が考案した。

2004年世界大会4A部門で大西が披露したフリースタイルは、耳掛けの奇抜さで溢れており、非常に見応えがある。



グランドストリングトリック (ビデオ

ヨーヨーの軸の端(ヨーヨーの側面)にボールキャスターを取り付け、独楽のように床の上に落としてストリングプレイを行うスタイル。

2002年に江藤謙治が考案。ダブルオアナッシング・UFOなどのストリングトリックを床の上で行っている。



ベアリングアクセル

正式な呼称がないので便宜上命名。オフストリングヨーヨーの軸の端にベアリングを取り付け、その部分を摘んでヨーヨーを空転させるトリック。回転しているヨーヨーに、オフストリング用のストリングを当てて回転を加えていく。UTYJ03(2001年全国大会)で栗田重里、大西翼らが行っている。


■参考
GIOY
HYPER-MEGANET
Yo-Yo Wiki(英語)