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第2回 ベアリングヨーヨーのオイルの効果
オイルといえばここ最近はおろそかにされがちだが、20世紀のヨーヨーシーン(といっても最後の10年ちょっとだけど)を語る上で大事なメンテナンス材料オイルを語ってみよう
第1回で紹介したトランスアクセル方式のヨーヨーの多くがベアリング部にオイルを注して使用します。
しかしわざと戻らなくするために、オイルを抜いてしまったり、戻りタスクするためにさまざまなオイルの工夫がなされています。
レスポンスとしてのオイル
潤滑剤であるはずのオイルがどうしてレスポンス?と、思われる方もいると思いますが、シングルのメンテでも、ひいて戻ってくるようにするためには大体オイルを使われているのではないだろうか?
そう、それはレスポンスだよ!!
ベアリングメンテをされるときに、脱脂前と脱脂後ではどちらが回る?
もちろん脱脂後ですね。つまり脱脂前は回転の抵抗としてオイルが作用しているわけだ。
何で無駄な抵抗が必要かというと、それを使ってリターンさせるからに他ならない。
じゃあファイヤーボールのようなトランスアクセルを例にそのからくりを見てうみよ。
回転中

引いたとき

ベアリングの場合も同様軸ではなくベアリングのボールの抵抗として働き、回転を止めるわけだ。じゃあオイルのないドライ状態のときはどうだろう?
ドライで引き戻したとき

皆さんも、ファイヤーボールなどでオイル切れで戻ってこないという状況を経験したこと1かいはあるだろう。
金スペのルーピングメンテのように粘度の高いオイルを使うのはこういう効果を発揮しやすくするためです。スターのレスポンス以外にオイルの抵抗で軸周りのレスポンスとして作用させておるわけです。
レスポンスで述べたルーピングの戻ってくる理屈には実は、この補足があって、ヨーヨーが伸びきったところではオイルの抵抗によって固定軸のような振る舞いをさせているのです。①のようにたるむのではなく、②のように固定軸のように巻き戻ってきているわけです。ルーピングオフストヨーヨーも同様です。しかし、完全に固定軸状態にするわけではなくかなり抵抗の強いトランスアクセル状態になるわけです。
レスポンスと糸の弾力に頼ったループ

オイルの効果を活用したループ

初心者のループが①なら上級者のループは②の状態なので常に安定した動作をさせられるわけです。これなら、前章で述べたオフストヨーヨーでのループも理解しやすくなったでしょうか?
同じオイルでも、ベアリングのクリアランスによって効果が変わる!?
たとえばジャム純正ベアリングとちょっとグレードの高いステンレスベアリング(等級不明)を比べてみよう。違いはベアリングの”あそび”が違うということ。同じ量のオイルを注入した場合、ジャム純正の方があそびが大きい分、戻りがわるい。また少量の緩いオイルでも、高精度ベアリングはあそびが小さい分、戻りがかなり良くなります。実はジャム純正ならフリー中に引いて戻すメンテでプラウィップができます。でもステンレスベアリングでは、同じ量のオイルを使用しても戻ってきてしまい、プラウイップができなかったりします。
きょくたんに描くとこんな感じ

クリアランスが悪いと遊びが大きい クリアランスが良いと遊びがない
結果戻りが悪い 結果戻りがよい
(情報提供アンリ)
そういえば、ハードディスクの流体軸受けをヨーヨーに使えないか?という人がいましたが、先に説明したオイルと同じ状態ですよね。あれは流体をベアリングの代わりに使って抵抗を減らすというより“音を静かにする”ための技術なのでちょっと流用は難しそうです。流体の分子は多分ミシンオイルのそれより大きいはず。
あと可能性のある代替品としたらマグネティックフローティング(磁気浮遊だっけ)ですが、これは軸側とトランスアクセル側に磁気的な力で浮かせるものでオイル同様に距離によって磁気密度が増えるので、同様の効果を得られるかもしれません。でも仕掛けが大掛かりで常温超伝導でも実現しない限り70g弱のヨーヨーに実装可能かは今の技術では難しそうですね。
ではいろいろなオイルを紹介
ダンカンルーブ:メンテナンスワセリンのようなもの
BANDAIワセリン暑いと使えない・・結構使いどころに困ったまま引き出しの奥にしまわれている
ブレインリューブ今でも東急ハンズなどで買える、今でもシングル、ナイスぺ用オイルとして使える
トリフロスプレー(テフロン配合)トリフロブランドだから使ってた人もいた。シングル用
ジッポオイル、脱脂といえばこれ!英語ではライターフルードという。
ミシンオイルジョイフル本田198円”多分一生持つ・・・”とエトウケンジが絶賛!油膜切れが早いが、2000年から2001年の引いて戻すメンテから、ノーオイルメンテの過渡期には活躍した。
万能グリスホームセンターなどで安価に入手可能ダブルハンドで活躍。地味に愛好者が多かった。
ラスペネちょっと高いが効果は・・・
21世紀(2005年時点)のヨーヨーオイル事情
・ベアリングに封入されているグリスは一洗って脱脂する。
・脱脂後ラスペネなどの保護剤につけて保管。
・使用時は一旦保護油膜を脱脂後乾燥させそれぞれのオイルをつける。(保護油膜と混ぜないように、オイルの性能を発揮させるため)
シングルハンド
殆んどドライベアリング・・・
高級なベアリング保護のためわずかにオイルをさす程度
ベアリング保全メンテの意味でラスペネを使うことが多いが、使用時は脱脂する。
オイルは殆んど使わない。
ダブルハンド
ナイスペレイダーにはソフトなミシンオイルを気持ち注す程度。
AAA
バインド用はドライ、ひいて戻す用はオイル注入
4A
どうでもいい
5A
ひいて戻すか、バインドにするか?で選択肢が分かれるAAAと同様
ひいて戻すか戻さないかによってセッティングが変わってきます。
でも20世紀の事情は違っていました。
・ベアリングが回らなくなったら脱脂する。
・脱脂後も大量にオイルをつける。(バインド技術のなかった当時戻ってこないメンテはありえなかった)
・必ず戻さないといけないという前提から、オイル選択はかなりの重要な要素だった。
・使い終わっても具合が悪くなるまではそのまま。(まあグリスべったりだったし)
シングル
ブレインリューブ、メンテナンスワセリン
ダブル
トリフロ、デュラエース、セルマー、ワセリン、万能グリス、etc・・・
ベアリング、ギャップなど殆んど操作できないノーマルのレイダーFBでは、オイルがとても重要になってきました。
THPがトリフロ使ってると聞けばみんなトリフロ、巧がチャリグリつかってるといえばみんなデュラエース、セルマーがいい聞けば皆楽器屋さんに走ったものです。
FBもいろいろのグリスメンテがされていたし、検討もされました。
そうBANDAI時代は改造禁止!ナイスペも禁止!最終的にはグリスすらBANDAIワセリンのみにしようという動きまであったのです。
いじれる要素がグリスしかないのでそっちに走るしかないのは当然か・・・
ちなみに以前かいたがTHPJ永瀬巧のメンテでは両方のスペーサーにチャリグリをうにゅってぐらい盛ってヨーヨーを締め込みギャップの隙間にはみ出したグリスをギャップに突っ込んだティッシュでふき取るという結構見た感じ大雑把なものであった。
セルマートリフロなども同様
ダブルハンドでは金スペを削るという改造もあったが今回の趣旨と離れるのでまた別の機会に。
ではヨーヨーにおいてオイルの果たす意味を考えてみよう。
それは・・・・
21世紀になって大きく変わったのは、やはりオイルのメンテだろう。
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