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ヨーヨーエンジニアリング5章 ヨーヨーの形状の考察1
前章では物理的な力とヨーヨーの関係をおさらいしたが、ここでは実際の運用に絡めてヨーヨーの形状を考えていこう。最低条件として必要な物理の話は前章にまとめてあるのである程度理解したうえで読んでほしい。
どんな形のヨーヨーがいいの?

丸、三角、四角、3つのヨーヨーがあったとする。どれが一番回りやすいだろう?
一般的にヨーヨーの形状は丸が多いがそれが一番なのだろうか?
三角を考えてみよう。

A、B,C各点での状態を見てみよう

それぞれの点の慣性モーメントはA<B<C
慣性モーメントのちいさいAの位置のほうがCの位置よりぜんぜん回りやすい。物理的にはもっと速く回れるポテンシャルなのに、B,Cに引っ張られてうまく回れないのだ。
この形状の場合全体の慣性モーメントを算出するための回転重心はBの位置に来る、なので
AはBを押す
CはBに引っ張られる状態となる。

回転が傾いた状態ジャイロ効果を発動した場合を考えてみよう。
傾きは同じ位置だが、半径の違う各点でのジャイロ効果を見てみよう。

同じ傾きなのに元に戻ろうとする力がBの方が小さいことがわかる。
結果的にどうなるか?
ぶれるのだ

これじゃあ使えない・・・
四角でも同様・・・
重心の半径が多少大きい分三角よりはましだが、あまり変わらない。

結局どこでも同じジャイロ効果の得られる丸が一番安定した形状といえる。

じゃあ丸じゃないとどうだろう?

このようなちょっとかけた形状の場合回転重心が軸の位置ではなくなってしまう。

やはり丸が都合がいいらしい。
重量配分
なぜウエイトが外周に寄っているといいのか?
金属リムウエイトやHG最新ヨーヨーにも外周にウエイトを集中させる工夫は続けられているがYOMEGA以前から行われてきた。これは力学の話でも述べたが、ジャイロ効果を有効に発揮するために、質点の回転重心の半径を大きくしたほうがいいという考えからだ。
円内の各点での現象を確認してみよう
三角のボディのときにも述べたが半径の小さい位置の慣性モーメントは小さい。つまり回りやすい。
それぞれがつながっているから一緒に回っているが、太陽を中心にした惑星のように別々に動かして確認してみよう。
同じ位置から同じ力でスタートした場合

Aが一番進む。
しかし実際は剛体として繋がっているので一緒に回る・・結果
実際のボディ上での質点A,B,C各点の現象を考えてみよう

A:慣性モーメントの最も小さいAの点では外周よりより小さな力で回ることが出来るしかし全体の動きはより遅い速度で回っているので常にB,C点を押している形となる。
B:回転重心にあるB点A,Cの真ん中でバランスのとれた位置。A点に押されC点を引っ張られている形。
C:最も外周のC点慣性モーメントの最も大きいC点はより慣性モーメントの小さいA,B天の動きに引っ張られる形で回転している。
これまで、単純に半径と重さという議論を続けてきたが、ここまで言ってきた重さと半径についての明確な定義を確認しておこう。
重さ:回転時の質点の重心での重量(回転中心ではない)
半径:回転重心の半径
緑のラインが回転重心金属リムがより外周に重心がよっているのが分かる。

プラスチックヨーヨー 金属リムヨーヨー
重さの配分をグラフ化したもの。軸を中心に対象としたとき、矢印の点が重心であることが分かる?

より比重の重い金属リムを搭載したほうが外周に重心が集まりやすいことが分かる。
実際の物理的サイズではなく、物体の回転時の重心をさします。
金属リムを採用している機種だと全体の構造材質(合成樹脂)より比重の大きい材料が外周にあるので、均質なプラスチック機種よりはより、重心半径が大きくなります。また、三角、四角などの複雑な形状の場合も回転重心として考えると円形の仮想回転重心での質量、半径として考えます。
実際の重心は(赤)回転重心も円形だ(緑)
重量配分(回転時)
横からの動きで考える
ここまで2次元的なイメージで考えてきたが、実際は3次元の物体であるヨーヨー横からの方向も考えてみよう。真横にしてみると
線を引いた位置に縦方向(横)の重心があることになる

上から見た図の回転重心と同様重さの中心の位置に来ることになる
しかし、大きな物体である以上ここでも質点の集合出ることが分かる。

いろんな断面での質点の動きを真上からみると

同じ説明が得きる・・・
さて最近話題になっているシリウスのぶれやすいという現象を考えてみよう。
優位に幅の広い金属リムウエイトの内周と外周の質点の動きを考えてみよう
最内周部の重量はプラスチックなので無視できると考え、外周のウエイトの最内周と最外周部分のジャイロ効果を見てみる。前章で説明したとおり運動エネルギー赤に対して回転面の変化青が発生した場合、緑方向に回転面を戻そうとする力が発生する。これがジャイロ効果だが、外周のAと内周のBでは慣性モーメントも実際の回転速度も小さいB点の運動エネルギーは、A点よりかなり小さい。

結果元に戻ろうとする力 ジャイロ効果も内周の方が小さくなってくる 実際は先の述べたとおり剛体として繋がって動いてるので関係ないはずだが、距離が大きく離れてジャイロ効果が大きく違うとアンバランスな状態も発生しやすくなる。
しかしヨーヨーにおいては次章に述べるヤジロベー効果?で安定を保とうとする力も働くこれが“ぶれ”のような現象として確認できるわけだ。
ぶれ現象は回転面が変化したときに生じるので 回転面が安定した状態または再度バランスが取れた状態を作れば解消される。
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