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ヨーヨーの科学6回 ベアリング3 コンケイブベアリングについて



最近高級なABEC7ベアリングに糸が中央に寄るようなカーブを加工した金属カバーを装着したコンケイブベアリングなるものが登場した。
これは、
ラテン語「空洞の」の意; 【名】 concavity
が語源の
concave
━ 【形】
凹(おう)面(形)の, 中くぼの, くぼんだ
から来ている。くぼんだベアリングという意味となる。

実際表面が凹型で、ここに糸が集まりやすくなっている。

いろいろな人に聞くと、中央に集まるではなく、中央近くを移動できるようになっていることが重要だそうだ。
なぜ中央ではなく中央近くに?

その秘密を考えてみよう、前章で述べたベアリングの中央にだけ糸が来るように凹みを加工したものと比べてもコンケイブのほうが扱いやすいとのことだ。
その理由としては、トラピーズ、2重かけ状態のときにベアリングに接続されている糸が、中央に固定されていると、スリット内の幅がいっぱいに糸が占有するのに対し、
固定されていない場合は、自由に具合のいい位置に動き結果的にスリット内を占有しないということのようだ。

3本糸がスリットに入った状態
ベアリングに固定されている糸を赤色してみてほしい。

中心固定
3重がけとなった場合、片側に糸が3本寄る場合もある。常に中心が糸なので、ベアリングに取り付けられている糸はレスポンスに触れないが、ほかの糸がレスポンスに触れる可能性が高くなる。

コンケイブ
ベアリングのカーブ中を糸が自由に動くので、3重掛けになった場合でも、糸がレスポンスに触れる可能性が減少する。またカーブの効果で端には来ず、その時々の状態で最もレスポンスに触れにくい位置に誘導してくれる。

コンケイブ無し
糸が端により過ぎてレスポンスに触れてしまうことも・・・

以上より、中心固定はロングスリーパー専用機には理想的なセッティングだが、2重掛け3重掛けとなるプレイ中のセッティングには向かない。ということがわかった。
以上の理由から、コンケイブ形状は中心固定状態よりプレイに有効であることがわかる。

では、高級なABEC7コンケイブとJAM純正無印ベアリングをドリルでコンケイブ化したものを比べてみると前章でも述べたとおり、ベアリングの等級による極端なプレイへの影響は見られないので、おまじないプラスα程度の差しか確認できないだろう。

ではどのようなコンケイブが有効なのだろう?
先に述べたとおり常に中心にいるのでは具合が悪いので、程よく中心付近に糸を誘導し、かつ端には寄せすぎない今の形状が
最も理想的であることが分かる。

極端にVだとやはり中心に固定されてしまうのでよくなさそうだ。

注意
ドリルコンケイブを製作する際は危険が伴うので、必ず自己責任で行って欲しい。これを破っちゃスピナー失格だぜ!
必ずスチール製のベアリングで行って欲しい。EZOなどのステンレス製ベアリングを加工するためには、ステンレス専用の特殊な刃が必要で、なお加工自体も困難である。
安全と経済効果のためにもステンレスベアリングの改造は極力控えるようにお勧めする。
もし可能なら、コンケイブ化用ベアリング圧入カバーを製作する方がよっぽど現実的だろう。SGさんよろしく。

ちょっと話が短かったので、前回ちょっと触れた磁化の話でもしてみよう
なぜ磁力は生まれるのか?鉄族の元素はなぜ磁化しやすいのか?をちょっと考えてみよう。

磁力の由来は、電子のスピンです。
電子のスピンだとしたら何ですべての物体は磁化しないの?と思われるかもしれません。
その理由は通常の電子は同じ軌道を右回りスピンの電子と左回りスピンの電子がペア(対)で回っているから互いの磁力を打ち消しあっているからです。

電子の軌道(殻)は大きい区分として内側から順に、K殻、L殻、M殻、と層状になっています(主殻と呼びます)、K殻はさらに1s軌道、L殻は2s軌道と2p軌道、M殻は3s、3p、3d軌道に細分されるます(副殻と呼びます)。この、s、p、dの分類は軌道の形態によっており、たとえばs軌道は対称な球形(1種類)、p軌道はxyzの各軸方向へ伸びた形(px、py、pzの3種類)をしている。1s、2sなどの数字は内側からの順番、すなわち1がK殻、2がL殻、3がM殻、にあることを表す。
で、鉄族の原子が持つ3d電子殻においては、3d電子軌道が全部占有されないまま、4s電子軌道の占有がおきる現象があり、左回りスピンの電子5,右回りスピンの電子1という変則軌道が 存在するため4個の電子はペアを組む相手がいない(不対電子と呼ぶ)。

このため3d殻は不完全内殻と呼ばれ不対スピンの状態ができやすく、磁性をもたらす原因となっている。4個の不対電子は回転方向が同じなので、この分だけ電磁石としての働きが外に現れることになる。

これが鉄族が強磁性元素となるゆえんである。
コイルに電流を通すと磁石になる電磁石の原理が電子の軌道といいとても小さいところでおこっているわけだ。

コイルに電流を通すと磁力が生まれるのと同じ理屈

ちなみに地球の地磁気も、昔は巨大な永久磁石といわれていましたが近年有力な説ではマントルとコアの回転によるダイナモ効果といわれています。

地球の地磁気は数万年の周期で変動し極の逆転や地磁気消失などを繰り返してるようです。現在地磁気は毎年数%づつ減少しているので今の変化を観測すると約1万年後には地磁気が消える時期が来ると予想されているので、生物にとって過酷な時期が来るかもしれません。

木星にも地球のバンアレン帯同様の地磁気の層があることが、近年の観測から分かりました。このため木星のコアにも多量の金属があることが予想されています。

原子から惑星まで、電子が回れば磁力が生まれることに変わりはない。(トリビア風)




参考
http://homepage3.nifty.com/junkchem/i/ichem001.htm
http://www.magtec.co.jp/magnetnews/study.html